仕事のモヤモヤをスッキリに!言葉のリフレーミングで自信を高める方法
職場でのモヤモヤ、言葉が原因かもしれません
日々の仕事の中で、予期せぬトラブルや人間関係のちょっとした行き違いなどにより、心がモヤモヤしたり、自信を失いかけたりすることがあるかもしれません。そのような時、心の中で自分自身に語りかける言葉や、状況を説明する言葉が、さらにネガティブな感情を強めてしまうことがあります。
例えば、
- 「また失敗してしまった。自分は本当にダメだ。」
- 「この仕事、どうせうまくいかないだろう。」
- 「あの人はいつも自分に冷たい。」
このような言葉は、自己肯定感を下げ、次への行動をためらわせる要因となることがあります。しかし、少し言葉の使い方を意識するだけで、状況の捉え方が変わり、気持ちが軽くなることがあります。その一つの有効な手段として、「リフレーミング」という考え方があります。
リフレーミングとは?言葉で視点を変える技術
リフレーミングとは、ある出来事や状況に対し、これまでとは違った視点から光を当て、別の意味づけを行う心理学的な技法の一つです。額縁(フレーム)を付け替えるように、物事の捉え方を変えることで、感情や行動にポジティブな変化をもたらすことが期待されます。
私たちの脳は、使う言葉に影響を受けやすいと言われています。「難しい」という言葉を繰り返していると、本当に難しく感じてしまうように、言葉は私たちの感情や思考、さらには自己認識に深く関わっています。リフレーミングは、この言葉の力を使って、ネガティブに偏りがちな思考パターンを意図的に変化させようとする試みです。
仕事でよくあるネガティブな言葉をリフレーミングしてみる
職場での具体的な状況を想定し、ネガティブになりがちな言葉をどのようにリフレーミングできるか、例をいくつかご紹介します。
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元の言葉:「また資料のミスを指摘されてしまった。本当に自分は詰めが甘いダメな人間だ。」
- リフレーミング例:「ミスが見つかってよかった。この経験を次に活かし、資料作成のチェックリストを見直そう。成長の機会だ。」
- 解説:失敗そのものではなく、「学び」「改善」「成長」という側面に焦点を当てることで、自己否定から未来への建設的な思考に切り替えます。
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元の言葉:「新しいプロジェクト、専門外だから自分には無理だ。」
- リフレーミング例:「新しい分野に挑戦できる機会だ。まずは情報収集から始めて、できることを見つけよう。スキルアップの良い機会になるだろう。」
- 解説:「無理」と決めつけるのではなく、「機会」「挑戦」「スキルアップ」と捉え直すことで、行動への一歩を踏み出しやすくなります。
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元の言葉:「納期がタイトすぎて、終わる気がしない。もう嫌だ。」
- リフレーミング例:「大変な状況だが、集中して取り組むことで、自分の限界を超えるチャンスかもしれない。計画を細かく分けて、一つずつクリアしていこう。」
- 解説:「嫌だ」「終わらない」という感情的な言葉から、「集中」「チャンス」「細分化」という行動や可能性に焦点を移します。
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元の言葉:「面倒な定型業務ばかりで、やりがいがない。」
- リフレーミング例:「この業務を効率化できれば、もっと重要な仕事に時間を割けるようになるかもしれない。自動化ツールを調べてみようか。」
- 解説:「面倒」「やりがいがない」という受け身の不満から、「効率化」「時間創出」「改善」という能動的な視点に切り替えます。
これらの例のように、同じ状況でも使う言葉や焦点を当てる側面を変えるだけで、感情やその後の行動に変化が生まれることが期待できます。
リフレーミングを日常で実践するためのステップ
リフレーミングは、意識的に練習することで身につくスキルです。日々の生活や仕事の中で実践するための具体的なステップをご紹介します。
- ネガティブな言葉や思考に気づく: まずは、自分がどのような時にネガティブな言葉を使ったり、ネガティブな思考に陥りやすいかを観察します。「また、ダメだと思ってしまった」「どうせ、と考えているな」のように、気づくことが第一歩です。
- 使っている言葉を客観的に見てみる: 心の中でつぶやいている言葉や、状況を説明する際に使う言葉を、まるで他人の言葉を聞いているかのように客観的に捉えてみます。その言葉が自分にどのような影響を与えているかを考えてみます。
- ポジティブな側面を探す: ネガティブに捉えている状況や出来事の、ポジティブな側面、学べること、感謝できること、成長に繋がることなどを意識的に探します。
- 言葉を置き換えてみる: 見つけたポジティブな側面に焦点を当て、「もしこの状況を別の言葉で表現するなら?」と考え、言葉を置き換えてみます。すぐに完璧な言葉が見つからなくても、「〜かもしれない」「〜と考えてみよう」のように、可能性や問いかけの形でも効果があります。
- 置き換えた言葉を繰り返してみる: 新しいポジティブな言葉を心の中で何度か繰り返したり、書き出してみたりします。
このプロセスを繰り返すことで、次第に自然とポジティブな視点から物事を捉え、言葉を選べるようになっていくと考えられます。最初はうまくいかないこともあるかもしれませんが、試してみることに価値があります。
言葉を変える小さな習慣が、大きな自信に繋がる
リフレーミングは、劇的な変化をすぐに生む魔法のようなものではありません。しかし、日々の小さな言葉の習慣を変えることから、徐々に心の状態が変化し、自己肯定感が高まっていく可能性があります。
困難な状況に直面した時、自分を責めるのではなく、「この経験から何を学べるだろうか」「次にどう活かそうか」といった言葉を選ぶことで、自己否定に陥ることを避けられます。また、成功や達成に対しても、「たまたまだ」ではなく、「努力が実を結んだ」「自分のこのスキルが役立った」のように肯定的に捉えることで、自己効力感や自信を育むことにつながります。
言葉は、良くも悪くも自分自身の現実を作り出す力を持っています。日々の言葉遣いを少し意識し、リフレーミングの視点を取り入れてみることで、仕事のモヤモヤをスッキリさせ、着実に自信を高めていくことができるでしょう。まずは、今日一日使う言葉の中から、一つだけポジティブに言い換えてみることから始めてみてはいかがでしょうか。